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口腔機能発達不全症ってなあに?

口腔機能発達不全症ってなあに?

久しぶりの投稿になってしまいました。わたなべ歯科クリニックの宮本です。だんだんと寒くなってきて、岡山でもインフルエンザがちらほらと出てきているようですね。皆様に健康を提供する側なので、しっかり予防をして健康管理をしていきたいなと思っています。

さてテーマにある、「口腔機能発達不全症」ですが、ご存じでしょうか?

2か月ほど前になりますが、9月8日に大阪に「口育」(こういくと読みます。)のセミナーを受けてきました。私も子育てをしているので、前から興味はあったのですが、ざっくり言うと成長に合わせた口腔機能の発達についての勉強会でした。

「口腔機能」とは「食べる機能」「話す機能」「呼吸する機能」のことで、これらの機能が正常に獲得できていない状態のことを「口腔機能発達不全症」といいます。この傾向が見られるお子さんには、乳幼児期からの口腔機能の正常な発達を促すように指導する必要がありますが、その必要性があるお子さんが近年とても増えています。

乳幼児の口腔機能は、放っておいて自然に発達するものではなく、哺乳・離乳の時期から始まり、段階的に正しい経験を積んで、徐々に発達していくものになります。この「段階的に正しい経験を積む」ことを知らずに、インターネットなどの偏った情報に依存して保育してしまうと、お子さんの正しい成長と発育を阻害してしまうケースもあります。

歯科医院では、口腔機能の成長発達を阻害するものとして、大きく3つの要因に分けて考えます。

ひとつめは「乳児嚥下の残存」です。

少し難しいですが、「嚥下」(えんげ)とは飲み込むことで、乳児嚥下の残存とは、「月齢は成長しているのに、赤ちゃんのような飲み込み方がそのまま残っている状態」ということになります。本来ならば月齢が進むにつれて、その時期に獲得したい口腔機能に合わせた離乳が必要になってきます。専門用語で言うと「成熟型嚥下」に移行していく時期なのですが、いくつかの要因でこの成長を阻害してしまうことがあります。

ふたつめは「口呼吸」です。

医科でも最近話題になることが多いですが、鼻呼吸ができず、口で呼吸をしていることです。本来は口は呼吸をする器官ではないのです。鼻呼吸と比べると、雑菌やほこりなどを含む乾燥した冷たい空気が直接肺に入り、酸素が供給しにくい状態になってしまいます。また雑菌やウイルスも直接取り込まれるため、風邪をひきやすい、口が乾燥する(虫歯や歯周病も悪化しやすいです!)など多くの弊害があるといわれています。

正常な鼻呼吸ができず、口呼吸をする習慣があると、舌のポジションが低位な状態(低位舌)になりやすく、嚥下の機能発達に悪影響を及ぼします。舌の機能については、この前「ほんまでっかTV」でも特集されるほどで、とても大切な事だと少しずつですが認知されてきています。

みっつめは先ほど出てきた「低位舌」です。

舌のポジションはもっとも重要で、普段から舌の先が「スポット」と呼ばれる場所に触れており、嚥下(飲み込む)の際には、上あごにしっかり密着するように挙上されるのがとても大事です。もともと舌の動きが悪いケースでは、舌小帯と呼ばれる舌の裏側のスジが正常より短いことがあります。ケースによっては切除の必要もでてきます。また低位舌は口呼吸と関係しており、歯並びにも関係しています。

 

この3つの要因はお互いに影響し合っていて、結果として「口腔機能発達不全症」の状態になってしまいます。当院では、お子さんの正常な機能発達が得られるように「口腔機能の正しい発達を促す指導」を行っています。ケースによっては舌の動きを改善するような装置を用いて、本格的なトレーニングをする必要もあります。MFT(口腔筋機能療法)と呼ばれており、乳幼児期の口腔機能の正常な発達は、結果的にですが綺麗な歯並びにもつながります。

色々と書きましたが、この記事を読むだけでは難しいと思います。それに、うちの子はどうなの??と心配になることもあると思います。当院には、口腔機能の発達についてのセミナーを受講をして認定を受けた「口育士」が在籍しています。気になる方、ご興味のある方はどしどしスタッフまでお問い合わせください!

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