みなさん、こんにちは。
わたなべ歯科クリニック院長の多田徹です。
前回の渡辺理事長からバトンを渡されて、今回自己紹介いたします。
1970年生まれ、生まれも育ちも岡山の、生粋の岡山っ子です。
岡山芳泉高校から岡山大学歯学部へ。
学生時代はそこそこ真面目に講義、実習に出て、後は弓道場に入りびたりひたすら弓を引く毎日でした。弓道では一つ一つの動作、所作を積み重ねていった先に的中という成果が得られます。そこで、堅実さ、着実さを学びました。
大学卒業後、大学院に進学し予防歯科を専攻しました。
当時は今とは違い、研修医が義務化されていなかったので、大学卒業後の進路としては、大学病院などで研修医として勤務する、開業医に勤務する、大学院に進学するなどがありました。
その中で私は、ただ目の前のむし歯を削って詰めるだけの歯医者にはなりたくないと思い、予防歯科を専攻しようと考えました。
当時は、歯のかぶせものを如何に長持ちさせるかというところから接着技術の研究が注目を集めていたり、インプラントが脚光を浴びていた頃で、「予防歯科をしようと思う」と言うと変人扱いされるような時代でした。
大学の研究分野としての予防歯科はどちらかというと臨床系というよりも基礎系に入るところが多いのですが、岡山大学の予防歯科学講座は当時の渡邊達夫教授の「臨床に活かせる研究、社会に役立てられる研究をするべき」というポリシーで、他大学の予防歯科学講座よりも、臨床的で現場に近い立ち位置でした。
大学院では実験手法を学ぶために細菌学教室に出入りし、また唾液の石灰化能について研究したりしましたが、そこで生物・生命のメカニズムの巧妙さに触れ、その魅力に気づかされました。
人体を構成する細胞は60兆個、それに対してヒトの消化管内には100兆個の細菌がいると言われています。
人間は知らず知らずのうちにそれだけの生物とお互いに影響を与えあいながら生きています。口腔内の細菌もその一部です。
人間は決して無菌室で暮らしているわけではありません。ですから、いろいろな細菌と良好なバランスを取って生活していかなくてはなりません。
そんな私がいま注目しているのが
プロバイオティクス、プレバイオティクス、シンバイオティクスといった、微生物環境を整えて健康を改善・維持していく技術です。
口と体はつながっています。
追究すればするほど複雑で奥が深い世界ですが、近い将来必ず医療の常識になるでしょう。
ヒトを取り巻く自然環境、社会、システムなど、時代の流れとともにどんどん変化していき、その変化の速さはどんどん加速しています。
医療技術もどんどん変化し、予防歯科も変わっていきます。
常に最善・最良の結果を求めて頑張ります。
さて、次回は瀧幸郎先生が自己紹介します。お楽しみに!
わたなべ歯科クリニック院長
多田徹